リウマチ性股関節炎の診断方法

▽リウマチ性股関節炎の診断方法

リウマチ性股関節炎は、関節リウマチによって発症する、股関節炎ですので、関節リュウマチの診断方法御を紹介して行きたいと思います。

関節リウマチの診断は難しく、関節の痛みや腫れ、微熱や体がだるいと御医者さんに診てもらったとします。

殆どの御医者さんは、まず非ステロイド系抗炎症剤、で様子を見ると思います。

しかし、痛みが長く続き、こわばりがある場合はリウマチを疑い、レントゲン検査、血液検査をするでしょう。

その結果、リウマトイド因子が陽性の場合、リウマチと診断する医師もいるようです。

他にも膠原病や甲状腺、肝臓、腸、皮膚の病気などで、リウマトイド因子陽性で関節が痛くなる事はあるのです。

これらの病気の原因は似ているのですが、治療法が違いますので、リウマチ専門の医師に診てもらい判断してもらう方がよいのです。

また、関節の腫れや、痛みを伴う病気は、かなりの種類があり、一人一人症状も違いますので、リウマチ専門の医師でも、早い時期での診断は難しいようです。

この診断のしっかり行う為に診断規準が出来たのです。

近年、関節リウマチの治療として、発症早期に強力な抗リウマチ薬で治療を行えば、骨の変形、関節の破壊を抑えられる事が実証され、早期の治療の重要性が分かって来ています。

その診断規準にはいくつかありますので紹介します。


○関節リウマチの診断基準（アメリカリウマチ学会　1987年）

1.朝のこわばりが少なくとも1時間以上にわたってみられる。
2.３つ以上の関節に炎症による腫れが見られる。
3.手首の付け根、手指の第2関節に炎症による腫れがみられる。
4.左右対称に関節炎が見られる。
5.皮下結節（リウマトイド結節）が肘や膝で見られる。
6.血液検査でリウマトイドが因子陽性である。
7.Ｘ線の検査で手の関節に骨の萎縮などの変化がみられる

以上の7項目中4項目を満たす場合は関節リウマチもみなされる。

この診断規準は大変良く出来ていて、簡単に診断が下せるようになっています。
しかし、痛みや腫れが6週間続かないと診断が出来ないようです。
早期に受診しても様子を見ることになるのです。


○日本リウマチ学会が定めた早期関節リウマチの診断基準（1994年）

1.3つ以上の関節で、指で押さえたり動かしたりすると痛みを感じる
2.2つ以上の関節に炎症による腫れがある。
3.朝のこわばりがある。
4.皮下結節（リウマトイド結節）が肘や膝で見られる。
5.血液検査で赤沈に異常がみられる、またはCRPが陽性である
6.血液検査でリウマトイド因子が陽性である

上記の6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとします。


○米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ学会(EULAR)2009年の新基準

【関節病変】
1.中・大関節に1つ以上の腫脹または疼痛関節がある　　　　　　　　　　　 0点
2.中・大関節に2〜10個の腫脹または疼痛関節がある　　　　　　　　　　　　 1点
3.小関節に1〜3個の腫脹または疼痛関節がある　　　　　　 　　　　　　　　 2点
4.小関節に4〜10個の腫脹または疼痛関節がある　　　　　　 3点
5.少なくとも1つ以上の小関節領域に10個を超える腫脹または疼痛関節がある　 5点

【血清学的因子】
1.RF、ACPAともに陰性である 0点
2.RF、ACPAの少なくとも1つが陽性で低力価 2点
3.RF、ACPAの少なくとも1つが陽性で高力価 3点

【滑膜炎持続期間】
1. ＜6週 0点
2. ≧6週 1点

【炎症マーカー】
1.CRP、ESRともに正常である 0点
2.CRP、ESRのいずれかが異常である 1点

上記のスコアの合計が6点以上である症例は「関節リウマチ確定例 (definite RA)」と診断します。